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岡山県『ギャラリー栂(とが)+蕎麦栂』
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墨art 坂本沙於里

5月の企画展が始まり3日目を迎えた栂です。

 

今だ緊張感漂う中にも関わらず、

初日より数名のお客様にお出かけ頂いています事

感謝いたします。

 

ありがとうございます!!

 

今回、墨art作品を取り上げるのは初めての試みです。

 

作家・坂本さん(神奈川県在住)に

本来であれば、作品の解説をして頂く事で

作品の見どころ、楽しみ方をご理解していただき

たいと思っていましたが、

残念ながら事情許さず、、

 

 

 

墨art  坂本沙於里

 

小林亮二吹きガラス作品展

昨日頂いたメッセージを、ここに載せます。

彼女が、日々書に取り組む思いと姿勢を

ご一読頂けると幸いです。

 

 


  

書の古典の中でも楷書や行書、草書といったものより、

木簡が好きです。

母と一緒に30年近くやってきた書道教室を今は一人で

やっていますが、

そこでは主に木簡、隷書、甲骨文といった古い時代ものを

一緒に学んでいます。

 

木簡は、紙が生まれる前、木を薄く切ったものに書かれた書で、

手紙や文字の練習のためであったり、商売や役所の記録、

死者があの世に行って困らないように、

人柄や好きな食べ物などが書かれたものなど、

人々の日々の暮らしそのものが映し出されています。

 

なので、いわゆる名筆と呼ばれるものではありませんが、

飾り気のない、自由で解放感のあるおおらかさ、

明るさといったものを感じます。書いた人の人柄を想像したり、

妄想しつつ、ロマンを感じずにはいられません。

 

書の手習いは、臨書といって、形を真似ることから始めます。

そして形に加えて、書き手の思いを汲む臨書を意臨というのがあります。

わたしはどうも意臨をすることが好きで、そこからだんだんと線と空間による

抽象表現を試みるようになりました。

 

そもそも木簡に書かれている内容は、牛何頭と米何俵と交換とか、

罪状は死刑というものもあったりして、それを作品にするようなものでもなく、

何よりも、木簡の解放感、生きとした線に魅かれているので、

文字にこだわる必要がなくなってきました。

 

また、文字は悲しいかな、言葉の意味を背負って生きています。

どんなことばを書くか、ことばは直接的であるだけに、

案外難しかったりします。

でも抽象表現は、見る人によって花に見えたり、風や色や音楽を感じたり、

可能性は無限だと思うのです。

 

時々、抽象作品でも、これはなんという文字を書かれたのですか?

と聞かれることがあります。わたしが書をやっていると聞くと、

文字を書いていると思われるのだと思います。

ですので、どうしても肩書を聞かれたら、書家とは言わず、

ARTの坂本沙於里です、と言っています。

すると不思議なことに文字は見えなくなり、猫に見えたり音楽が聞こえて

きたりするのです。面白いですね。

 

いつしか木簡に始まったわたしの道は、書法の学びだけではなく

生き方を探す旅になりました。

木簡から感じる世界は大好きなJAZZのように、自立と自由を奏でながら、

内なる可能性を思い出させてくれるのです。

 

抽象作品を書き始めてからずっとテーマにしているのは、存在─Being です。

書も人生も、点から始まり、線となり面になり、

空間=存在となる、と思うのです。

小さな点(音)にも無限の表情があるように、

「生まれる」にも無限の可能性がある。

点と線が重なり合い、響き合うことでひとつの音楽が生まれる。

不協和音でもいい、心地よいものだけが素晴らしいのでもない。

そこに「存在していること」が、美しく愛おしく思えてくる。

 

今回お送りした作品も、そんなことを感じながら、

制作は音楽を聴きながら。

音楽から感じる世界を、木簡の解放感に身を任せて制作しています。

 


 

https://www.facebook.com/saori.sakamoto.564?epa=SEARCH_BOX

是非チェックしてみてください。

 

 

| ギャラリー栂+蕎麦栂 | アート | 14:34 | comments(0) | - | -
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